なぜAIはウソをつくのか、シンプルな理由

AIが「ウソをつく」という現象は、実はAIの気持ち・立場になって考えれば簡単に理解できることだ。

AIはどのような立場にあるのだろうか?

それは、解答が4択のマークシートを解いている受験生のような気持ちに近い。受験生は、問題の答えがわからなくても、空欄のまま提出するわけにはいかないから、勘でマークすることがあるだろう。そして、それが間違いとなる。その時の心境は、「どうせ間違うなら勘でマークしておこうか!」といったところだろう。また、4択の中で「これは絶対間違いだな。じゃ、残りの3つの中から適当に選ぼう」といった選択肢の絞り込みも行うはずだ。

AIの「勘」と「間違い」

AIもこれと同じことをしているのだ。

AIは、学習データから得た正答確信度の高い情報を持っていれば、もちろん正しく解答する。しかし、その質問に対する正答を知らなければ、あるいは確信度が低い場合には、勘に頼って解答する。この「勘」というのは、AIが持つ膨大なデータと統計的確率に基づいて、最もそれらしい、あるいは最も自然な答えを導き出す試みだ。

その結果として導き出された解答が、現実の正答と異なっている場合、人間からは**「ウソ」**をついているように見えてしまう。

結局のところ、AIが「ウソをつく」ように見えるのは、正答を知らない、または確信度が低い状況下で、何かを答えようとするAIの仕組みによるものだ。正しく解答できなければ、それは間違いとなり、人間にとっては「ウソ」となる。ただそれだけの話なのである。


AIの「ウソ」とは、正しく答えようとした結果の間違いである。