Lenovo ThinkPad E14 ILL を導入したので、これまで使ってきた E14 AMD Gen2 と比較しながら所感をまとめる。
まず、本体サイズはわずかに小さくなり、重量も軽くなった。持ち運びのしやすさという点では確実に進化している。ただし、キーボードの使い勝手は従来機とほぼ変わらない。ストロークがやや浅くなった印象はあるものの、使いにくさを感じるほどではなく、慣れの範囲で収まるレベルである。
ディスプレイは大きな変化点だ。解像度が Full HD から 2880×1800 に向上し、表示領域が広がった。スケーリングを150%に設定すると、従来と同じ見え方を保ちつつ、縦方向の情報量が増えるため、作業効率は確実に改善した。Full HD の縦の狭さに不満があった身としては、この変更は歓迎である。
一方で、外観に関しては少し残念な点もある。天板やキーボード横にあった ThinkPad ロゴの白い塗装がなくなり、エンボス加工のみになってしまった。コストカットの影響と思われるが、視覚的なアクセントが減ったのは惜しい。
CPU パフォーマンスは世代が大きく進んだことで大幅に向上しているはずだが、日常利用では体感できるほどの差はない。そもそも Ryzen 7 5700U の時点で十分に快適であり、動画エンコードのような重い処理を頻繁に行わない限り、性能差を意識する場面は少ない。同様にメモリアクセス速度の向上も、体感としてはほぼ変化なしである。
ポート構成では USB Type-C が増えた点がありがたい。従来は Type-C をほぼ充電専用のように使っていたが、用途の幅が広がったのは素直に便利である。
一方、M.2 スロットが1つになり、SSD の増設ができなくなった点は拡張性の面でマイナスである。ただし、Dドライブを分ける必要がなくなるため、OS の再インストールが楽になるという副次的なメリットもある。また、メモリが増設不可になった点も含め、拡張性は確かに落ちているが、Intel の設計方針や軽量化への貢献を考えると、ある程度は割り切りが必要だと感じる。
興味深いのは、2世代目の Ultra 7 ではメモリが内蔵となったことで、EシリーズとTシリーズの差が縮まりつつある点である。かつてのTシリーズは64GB等より多くのメモリを積める拡張性が売りだったが、現在では軽量性も含めてEシリーズとの差が小さくなり、Eシリーズのコストパフォーマンスがより高まっている。
最後に、NPU の有効性については現時点では未知数である。今後のアプリケーション次第で活躍の場が広がる可能性はあるが、現段階では「期待して待つ」というスタンスである。
総じて、ThinkPad E14 ILL は確実に進化している部分と割り切りが必要な部分が混在しているが、Eシリーズとしてのバランスの良さは健在であり、買い替えとして十分満足できるモデルであると感じている。
ちなみに、トラックポイントキャップは同じサイズではなく、ILLは3mm、AMD Gen2は4mmで互換性なし。
